服飾史において、メンズドレスにおいて、フレンチファッションにおいて、片やメンズドレス全般、片やシャツ専門と違いはあれど欠かすことのできない存在であり、その漂う洗練されたクリエイションはご紹介するのも烏滸がましい程です。

とはいえ今回ご紹介させていただくのは、Cifonelliのスーツ、Charvetシャツではなく、敢えてというのも不遜ですがCifonelliのシャツ、Charvetのベストと異端は言い過ぎかもしれませんが王道では無いのは明白な二着です。

しかしながら数々のお金持ちの方々や特階級の方々にも愛されたその技術力はこれら本職でないプロダクトにも活かされ、朴訥でありながら甘い色香を抱くフランスメンズドレスの装いをしっかりと想像させる魅力的な個性が存在していまして非王道であるこれらのプロダクトを楽しめるというのは極めて贅沢なことだと感じます。

クラシックを軸とした正統派ドレスジレ。ピュアシルクの生地表情を前後で変化させた表地とストライプの裏地が格別の美しさでさらにボタンも同生地のくるみ釦という贅沢設計。無機質な表情でありながらフレンチドレス特有の色気に満ち溢れるデザイン美。これこそCharvetのシャツの相棒に如何でしょうか。

Charvet pure silk 5button gilet.

独特の優しく鮮やかなカラーリングにやや光沢のあるマテリアルながら慎ましくそれでありながら目を惹くという完璧なバランス、サイズ表記以上にオーヴァーサイズに感じるのはCifonelliの ”動いた時に美しいスーツ” という服作りの基本を反映させた着飾るというよりも、より日常的かつ仕事着に近い感性でしょうか。

結局のところ贅沢な一着に変わりはないのですが、これこそ邪道ではありますがサイズ感的にも敢えて着崩してなんなら袖釦も止めずにだらっとフロントも開けるか1,2個軽く留めてシャツジャケット感覚での着用も御推奨いたします。

Cifonelli pure silk check shirt.

Le.Cassina